今回のキーワードは
「髪質改善」と
「酸熱トリートメント」です。
これらの施術は最近になって人気が出てきた比較的新しい技術なのですが「くせ毛がおさまる」「CMのような艶が出る」などの効果が期待される施術です。
最近はどのサロンでも髪質改善や酸熱トリートメントを取り扱っており、「髪質改善サロン」という形態をとるサロンも増えてきました!
しかし、髪質改善や酸熱トリートメントは、「失敗談」があまりに多い施術です。トリートメントなのに何故失敗談が生まれるのでしょうか?と疑問に思われる方も多いと思います。
まず第一に、髪質改善や酸熱トリートメントは、施術そのものが危険ということはありません。痒いところに手が届く、とても優秀な施術ではあります。
しかし「正しい知識、経験がある美容師じゃなければ失敗しやすい」という側面を持っています。
【失敗談が多い”酸熱トリートメント”と”髪質改善”】
Twitter上にも失敗談がたくさん出てきます。
ネットで検索をすると「髪質改善 失敗」「髪質改善 チリチリ」「酸熱トリートメント 傷んだ」こんなワードがゴロゴロと出てきます。
マツコ会議をはじめとしたテレビでも話題になったり、SNSでもみんなツヤツヤになっているし、有名なモデルさんやインフルエンサーも通ってる。ではなぜ、こんな悲しい体験談が生まれ続けるのでしょうか?
【酸熱トリートメントは「トリートメント」ではない】
実は、「酸熱トリートメント」は厳密にはトリートメントではありませんし、美容師側も心の中ではそう理解していることが多いです。トリートメントの枠を超えていますが、とはいえパーマというわけでもありません。わかりにくい表現ですが、酸熱トリートメントは「新技術」であり、どちらにも属さない中間地点にあります。
まさに「髪質改善」という名の新しい施術なので、人それぞれの概念があるという点が説明不足やトラブルに繋がっているとも思います。
[トリートメントの原理]
髪に油分・水分を与えることで毛髪内部のダメージを修復したり、保湿をします。また近年では科学の進歩によってタンパク質の修復やコルテックス層・キューティクルの修復を行い、壊れた組織を美しく整えたり、歪みを補正するなどし髪の深部からケアをします。
[酸熱トリートメントの原理]
グリオキシル酸をはじめとする酸性成分で毛髪を収斂(しゅうれん)させ、膨潤した毛髪を引き締めます。180℃の熱を加えることで化学反応を起こし新たな結合を毛髪内に形成。たんぱく質の結合を一時的に増加。これによりトリートメントよりもくせ毛を抑えたり、強度を高めたり、ツヤを出す効果を高めます。
これが、両者の明確な違いです。
こうして見ると「酸熱トリートメント」はトリートメントの枠を越えていることが分かると思います。しかし、パーマというわけでもない。緩やかではありますが、毛髪の形状を変える作用があります。
【なぜ酸熱トリートメントで髪が綺麗にならないのか?】
髪の毛にとってのダメージ要因は「アルカリ」が有名です。カラー剤やパーマ液、海水やプールもすべてアルカリ性で、髪の毛はアルカリ性に傾くとキューティクルが膨潤しダメージを起こします。
では、アルカリの真逆である「酸」はどうでしょう?実はアルカリよりも厄介なダメージ要因となります。酸によってダメージしてしまった髪は過収斂という状態に陥り、分かりやすく言えば髪は潰れます。
チリチリ、ジリジリ、乾燥して硬くなるなどはこれが原因です。酸熱トリートメントによってダメージを負ってしまった方は、ほぼ100%がこの過収斂によるものだと思います。
【酸熱トリートメントでキレイになる髪もある】
まず、冒頭で述べたように酸熱トリートメント自体は悪者ではありません。僕も年に数人程度ですが、酸熱トリートメントをオススメすることがあります。
「たった数人?」と言われそうですが、そもそもは出番の少ない大変マニアックな施術なのです。
なぜなら、理論を理解しているほど、酸熱トリートメントが向いているお客様は本当に”一握り”だからです。
【酸熱トリートメントを施術する条件】
僕が酸熱トリートメントを施術する条件は、「カラーやパーマをしていない」「くせ毛が強すぎない」「お客様自身が縮毛矯正をしたくない場合」の3つです。
これに当てはまる方は、本当に一握りです。
まず、カラーやパーマをしていると酸濃度を低めに設定したいのですが、販売されている酸熱トリートメントでは酸濃度を調整できないので(10%添加など製品として完成している為)仕上がりを読めないという点。ダメージ毛に酸濃度が高い酸熱トリートメントを施術すると、キシキシになるため怖くて施術できないという点があります。
くせ毛が強すぎる場合は酸熱トリートメントのメリットがなくなるため、縮毛矯正にします。酸熱トリートメントはくせ毛を抑えますが、くせ毛が伸びるわけではないので、くせ毛が強い方はあまり実感ができずただ酸によるダメージを追ってしまうだけになります。最初から縮毛矯正を選んだ方が合理的です。
「縮毛矯正をしたくない」という方も稀にいらっしゃるため、その場合は髪質が合えば酸熱トリートメントを選択しても良いかと思います。しかし、縮毛矯正をしたくない!という方は10年以上前のイメージを今でも持たれてるケースが多く、しっかり説明をさせていただくことで不安が解消され、縮毛矯正を選ばれることも多いです。最近の縮毛矯正と昔の縮毛矯正は、驚くほど違います。理論も違います。不安があれば、是非ご相談ください。
【なぜダメージ毛だと失敗のリスクがあるのか?】
ダメージ毛とは、そもそも毛髪内部に空洞がたくさんある髪です。空洞が多い髪を酸性に傾けると、引き締まるだけでなくそのまま潰れてしまいます。さらに、酸熱トリートメントには「180℃の熱」で水分をすべて飛ばす工程があるのですが、潰れた髪の水分をすべて飛ばすことになるので、ミイラのような状態になります。ただ、ストレートアイロンを通した髪の毛は皮肉にもサラサラで、ツヤツヤです。
〇「収れん」の効果はダメージレベルで違いがある
ダメージが少ない髪の毛は、毛髪内部がしっかりと栄養で詰まっているため収れんをすると髪が引き締まる。
ダメージ毛で毛髪内部がスカスカになっている髪は、収れんをすると髪が潰れる。
〇「収れん後の熱アイロン」による結果の違い
ダメージが少ない髪は、イミン結合により美しいツヤとスリークさを獲得。
ハイダメージ毛は、髪が潰れた上からの180℃の熱により「タンパク質変性」が起こり、さらに硬く押し潰される。
【山内スペシャル美髪ケアは"トリートメント"です】
↑こちらは私、山内ヨシヒロの独自考案「山内スペシャル美髪ケア」です。
MINX在籍時に考案し、美容室のミシュランガイド「カミカリスマ2020」トリートメント部門において一つ星を受賞した日本一の美髪ケア。現在、茅ヶ崎にて独立後も大人気メニューとなっております。こちらは酸熱トリートメントではなく、全成分トリートメントのみで勝負しています。
「ansee(アンシー)」では、トリートメントだけで6種類、酸熱トリートメントを2種類ご用意しています。
お客様の髪質やご要望に合うものを、プロとしてしっかりとご提案させていただいております。
anseeでご用意しているシステムトリートメントは、Aujua、資生堂サブリミック、カミノキオク、N.ケラリファイン、プロマスターカラーケア、スマケア、EraLシステムケアなど。これだけ多くのブランドを揃えているからこそ、ご提案の幅も広がり、またお客様によっては独自でブレンドをすることで最善のケアを行っております。
【酸熱トリートメントで失敗された髪を綺麗に戻す方法】
それでも、酸熱トリートメントで失敗してしまったという方のご来店が後を断ちません。
酸によるダメージを治すのはとても難しいのですが、そのようなお客様のために特別な処理剤をご用意しております。ただし、最低でも3ヶ月は毎月1回のケアを行う必要があります。
anseeでは、インスタグラムでも発信している日本トップクラスの修復ケア技術を持っており、これまで様々なダメージ髪を解決してきた実績がございます。
今回のブログのような「酸熱トリートメントで失敗された」という方も多くご相談いただいておりますので、ぜひ、まずはインスタグラムをcheckしていただき、お気軽にご相談くださいませ。
【SALON ABOUT】
○東京・銀座で活躍した人気美容師がプロデュースする茅ヶ崎駅前の美容院「ansee」
ansee Chigasaki(アンシー茅ヶ崎)は、都内有名サロンMINXの銀座・表参道で経験を積んだ人気トップデザイナーがプロデュースし、2020年9月NEW OPENのヘアサロン。
国内外セミナーやテレビのヘアメイク・CM出演・ヘアケア開発監修などそれぞれが多彩な経歴を持ち、業界内からも信頼が厚いスタイリストが最も美しいヘアスタイルをプロデュース致します。
【PRICE】※一部メニューのみご紹介しております
代表カット 8,900円 / スタイリストカット 6,490円
カラー 7,700円~
カット+パーマ 15,900円~
縮毛矯正 22,000円~
トリートメント 3,300円~22,000円
ヘッドスパ 3,300円~11,000円
【サロン情報】
・神奈川県茅ケ崎市新栄町10-13 グランテージ8 2階フロア
・JR茅ヶ崎駅より徒歩5分
・0467-81-5565(受付時間10:00~19:00)
・定休日 火曜日/隔週水曜日(スケジュールをご確認ください)